パナシア設立5周年

株式会社パナシアは、設立5周年を迎えました

株式会社パナシアは、2014年10月にメディカルライティング専門のアウトソーシング会社として、以下に示す『ビジョン』と『ミッション』を掲げて設立し、今年で設立5周年を迎えました。この節目の年にあたり、会社幹部からのご挨拶として、これまでの実績と今後の取り組みについて紹介させていただきます。
パナシアは、製薬会社のメディカルライティングのニーズに十分に応えられるよう、会社の組織体制をより充実させるとともに、引き続きフリーランスの皆様のご支援にも取り組んでまいります。

ビジョン
(会社が目指すあるべき姿)

製薬会社から信頼されるメディカルライティング専門のアウトソーシング会社となる

パナシアは、依頼された文書を指示に従って作成するだけではなく、文書作成に関わる業務全般をプロジェクトと捉え、プロジェクトメンバーの一員として主体的に取り組むことにより、製薬会社の皆様がいつでも安心して依頼できる会社を目指しています。

ミッション
(会社が果たすべき役割)

製薬会社とフリーランスを結ぶメディカルライティングのプラットフォームとなる

パナシアは、希少なフリーランスの専門スキルを製薬会社のアウトソーシングのニーズにつなぐため、メディカルライティングに専門特化した組織体制を構築するとともに、プロジェクトマネジメントの手法や最新のITツール等を活用して、双方が安心して業務を委受託できる環境を提供します。

代表取締役社長 東 郁男 からのご挨拶

※弊社の代表取締役社長は、2020年6月11日付で 東 郁男 から 武山 佳憲 に交代いたしました。

平素は弊社事業に多大なるご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
弊社は、産業翻訳のリーディングカンパニーである株式会社翻訳センターのグループ会社で、メディカルライティング専門のアウトソーシング会社として設立され、2019年10月で5周年を迎えました。

この間、役職員の努力もあり、治験総括報告書およびCommon Technical Document(臨床部分)の作成・QC業務を中心に約40の製薬関連企業のお客様と継続してお取り引きさせていただくようになりました。
これも、弊社が作成した文書の品質に対する評価だけではなく、製薬関連企業のご担当者様よりビジネスパートナーとしてもご評価いただいているものと自負しております。

今後、より多くのお客様にご満足いただけるように、さらなる品質とサービスの向上に努めるとともに、量的なご要望にも十分にお応えできるように、メディカルライターをはじめとするリソースの強化・拡充を図ります。
また、IT・AIなどの最新技術の利活用および最新情報の収集に努め、メディカルライティング業務の作業効率化と高度専門化を図ってまいります。

日頃の皆様のご愛顧とご支援に対して改めて感謝申し上げますとともに、引き続きのご愛顧を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

プロジェクトマネジメント部長 逢坂 政輝 からのご挨拶

自己紹介とパナシアの設立に参画するまでの経緯

はじめに簡単に職務歴をご紹介します。私は臨床開発部門を中心に製薬会社に25年ほど勤務し、そのうち約8年はメディカルライティング(MW)部門に所属しました。そこでは、メディカルライターとして文書を作成するだけではなく、ゼロベースでのMW部門の立ち上げから、統計解析部門等と連携しながら組織体制を整備するまでの過程に携わりました。また、製薬協のタスクチームの活動や他社のメディカルライターとの交流会等を通じて、組織体制や文書の作成方法が個々の会社の状況により異なることを学びましたが、一方でほぼ全てのMW部門に共通する課題があることも知りました。共通の課題の中で悩ましいものの一つは、MW業務を安心して依頼できる開発業務受託機関(CRO)が少なく、総じて満足度が低いということでした。
私はその頃に、翻訳センターよりMW部門の設立に参画しないかというお誘いをいただいたのですが、大きな製薬会社の中でないと経験できないことが残っていたため、お断りさせていただきました。その後、様々な文書の作成を通じて臨床開発の計画立案から申請・承認取得までの幅広い経験を積み重ねるとともに、MW業務の外注を失敗しないためのノウハウも自分なりに蓄積することができましたので、新しい仕事に挑戦してみたいという想いから、翻訳センターのお誘いをお受けして、パナシアの設立に参画することになりました。

パナシアの取り組みと今後の展望

パナシアの設立に際しては、会社運営の基本方針として、①きめ細やかな対応、②チームライティング、③提案型サービスの3つを掲げました(特集記事「メディカルライティング専門会社(株)パナシア設立」(PDF 1.4MB)参照)。以下に、会社設立後の具体的な取り組みと今後の展望についてご紹介します。

①きめ細やかな対応 ⇒ プロジェクトマネジメントの手法を活用

このコンセプトは、煩雑な文書作成に伴う周辺業務の負担を軽減させるため、製薬会社の外注窓口の担当者に代わって、パナシアのコーディネータが対応するということです。設立当初は、工程設計、資料の保管・管理および進捗管理などについて独自に作成したツールを活用して、とにかく丁寧な対応を心掛けるといった『属人的な対応』がほとんどでしたが、3年目頃より、専門家のコンサルティングを得ながら、プロジェクトマネジメントの手法を取り入れて『体系的な対応』を実践するようになりました。
具体的には、スコープマネジメントとして、最初に最終成果物の文書のイメージとその作成方法を詳細に確認し合意すること、スケジュールマネジメントとして、適度なバッファーを盛り込んだ実行可能性の高い予定を立て常に先々を見越して進捗管理を行うこと、リスクマネジメントとして、可能性のあるリスクを予測し事前の予防策と発生時対策を準備すること、などがあります。
今後は、『体系的な対応』をさらに洗練させるとともに、特にリピーターの製薬会社様には、個々の状況に合わせカスタマイズした対応を実践していく意向です。

②チームライティング ⇒ 異なる専門性を持つ担当者が相互連携

このコンセプトは、文書の品質を作成担当の1人だけに依存するのではなく、案件ごとに作成チーム(品質管理担当のライター、作成担当のライター、必要に応じて付録等の作成を分担するライター、QCチェッカーおよびコーディネータ)を編成し、お互いに連携して文書の品質を高めるというものです。
具体的には、作成担当のライターが文書作成に専念できるように、他のメンバーがそれぞれの専門性を活かして周辺業務を分担またはサポートするということと、ヌケモレやケアレスを予防するために工程ごとに複数の視点でチェックするということです。
パナシアが作成する文書の品質は、お客様のほとんどがリピーターであることから、一定の評価を得ていると確信していますが、今後も現状に妥協することなく品質向上の取り組みを続けてまいります。また、可能な限り多くのMW業務をお受けできるように、メディカルライターをはじめとするリソースの拡充にも注力していく意向です。

③提案型サービス ⇒ 多様な業務経験を活かして専門的な視点で提案

このコンセプトは、様々な案件を通じてパナシアが経験・蓄積したメディカルライティング関連のノウハウを活かして、製薬会社の皆様に、個々の状況に最適な提案をするということです。
具体的には、業界の最新の傾向等を踏まえた文書の作成方法や、品質と効率のバランスを考慮した最適な作成工程などの提案を心掛けています。
今後は、個々の文書作成に関する提案だけではなく、レビュープロセスの改善や、プロジェクトマネジメントの手法を活用した業務管理方法など、文書作成全般に関わるコンサルティング的なご提案にも対応できるよう体制を構築していく予定です。

以上のように、パナシアはMW業務を1人のメディカルライターで完結する業務ではなく、複数のメンバーが長期にわたって関与するプロジェクトと捉えて、今後も様々な視点で品質と効率の向上に取り組んでまいります。

エグゼクティブ・アドバイザー 林 健一 からのご挨拶

本年4月にエグゼクティブ・アドバイザーに就任した林と申します。職務歴をご紹介しますと、製薬会社の研究開発部門で医薬品開発や申請資料作成に従事した後、2007年にアラメディック株式会社を設立し、以降はプロトコールや承認申請資料などの作成・レビュー業務を受託しております。この他には、日本科学技術連盟が主催する『メディカルライティング教育コース』の運営委員としてメディカルライターの育成に関与してまいりました。

パナシアさんとは翻訳センターにメディカルライティング部門が設立された頃からのおつきあいとなります。開発業務受託機関(CRO)の中には、利益を得るために業務受託件数の拡大を最重視するところが見受けられますが、パナシアさんは納品物の品質を保つことに重点をおいており、そうした姿勢に共感したことがおつきあいを始めた理由です。実際、最初にご相談をいただいたのはメディカルライターの研修に関するものでした。

エグゼクティブ・アドバイザーへの就任後は、まずパナシアさんが主催するセミナーとして、治験総括報告書とCommon Technical Document(臨床部分)の書き方を解説するセミナーをそれぞれ7月および9月に開催しました。特に、9月に開催したセミナーでは、構造化されたベネフィット・リスク評価の手順を説明し、ICH M4E (R2) ガイドラインが通知された背景を理解していただくことに重点をおきました。幸い、両セミナーとも多くの参加者にご満足いただくことができましたので、こうしたセミナーは来年以降も開催していく予定でおります。

さらに、納品物の品質のさらなる向上にも貢献したいと思います。プロジェクトマネジメント部長の逢坂さんにお聞きしたところ、お客様の多くは継続してメディカルライティング業務を依頼してくださっているそうです。このことからは、現時点でもお客様が納品物の品質に満足していらっしゃることがうかがわれます。ただし、メディカルライティング業務を受託するCROは増加傾向にあり、競争が激化していることも確かです。このため、『メディカルライティング教育コース』での経験を踏まえて、今後はパナシアさんと契約しているフリーランスのメディカルライターの方々を対象とした研修などを企画できないかと考えておりますし、業務の内容によっては、自分自身で文書を執筆することも検討していく予定です。