メディカルライティング・セミナー

セミナー

パナシアでは、弊社エグゼクティブ・アドバイザーの林健一氏を講師に迎え、メディカルライティング関連セミナーを主催しており、これまでの4年間は、「わかりやすい治験総括報告書の書き方」と「わかりやすいCTD第2部(臨床部分)の書き方」の2つのセミナーでしたが、今年度より「わかりやすい文章の書き方」を加えて、3つのセミナーを開催する予定です。以下に、「セミナー開催要領」「セミナー開催に際しての講師からのご挨拶」「各セミナーの内容」「講師略歴」を記載していますので、ご確認の上、セミナーへの参加をご検討いただけますと幸いです。
セミナーの申し込み方法等については、各セミナーの開催日の2カ月前頃に、本Webサイトまたは弊社とお取り引きのある皆様にはメールでご案内いたします。
なお、「わかりやすい治験総括報告書の書き方」と「わかりやすいCTD第2部(臨床部分)の書き方」は、セミナーの内容は変更ありませんが、今年度よりそれぞれのセミナータイトルを「治験総括報告書の作成方法」と「Common Technical Document(CTD)第2部の臨床部分の作成方法」に変更しました。

【セミナー開催要領】
■ 講 師: 林 健一(株式会社パナシア エグゼクティブ・アドバイザー)
■ 対 象: 医薬品の承認申請資料の作成関連業務に従事する方
■ 定 員: 50名
■ 受講料: 一般 50,000円(税込55,000円)、弊社登録フリーランサー 25,000円(税込27,500円)
      ※ 上記の受講料は、各セミナー(午後半日、2日間)・1名あたりの料金です。
■ 開催方法: Zoomウェビナーを使用したライブ配信セミナー
■ 各セミナーの開催予定

セミナータイトル 開催予定日
わかりやすい文章の書き方 ※受付終了 9月13日(水)、20日(水)
治験総括報告書の作成方法 ※受付終了 10月11日(水)、18日(水)
Common Technical Document(CTD)第2部の臨床部分の作成方法 ※受付終了 11月8日(水)、15日(水)

※ 講義時間:いずれも午後半日(3~3.5時間)

【セミナーの開催に際して(セミナー講師・林 健一)】
このたび、医薬品の開発に携わる方々を対象としたセミナーを開催することとなりました。開催するセミナーは「わかりやすい文章の書き方」「治験総括報告書の作成方法」「Common Technical Document(CTD)第2部の臨床部分の作成方法」の3つで、各セミナーとも3~3.5時間の講義を2回実施するという構成にしました。これらはシリーズとして開催しますが、参加を希望する方は各セミナーを単独で受講することが可能で、3回を通して受講する必要はありません。
いずれのセミナーでも、扱うテーマを基礎から解説することに重点を置きます。たとえば、治験総括報告書やCTD第2部(臨床部分)の作成方法を解説する際には、「規制当局が臨床試験成績を評価するためにはどのような情報が必要なのか」を整理し、治験総括報告書や臨床概括評価、臨床概要が現在のような構成(章立て)になった背景を含めて、ICHガイドラインの要求が理解できるようにいたします。
このため、3つのセミナーは医薬品の承認申請資料を実際に作成する方々だけでなく、資料をレビューする方々、医薬品の開発や承認申請に必要な知識を身につけたい方々にとっても有用ではないかと考えております。

【各セミナーの内容】
(1)わかりやすい文章の書き方
本セミナーは、読者に情報を伝えることに重点を置いて構成しました。
1日目は、最初にメディカルライティングの基本原則を整理します。その後、記載された情報を読者が誤解しないセンテンス(文)の書き方を解説します。引き続いて、センテンスとセンテンスのつながりをよくするための留意点、文書全体を通してキーワードを一貫することの重要性を解説し、最後に文章を書く際に参考となる指針をご紹介します。
2日目は、根拠と主張(結論)の関係を身近な例を用いて示した後、記載された情報を読者が効率よく理解できるパラグラフの書き方を解説します。あわせて、論理的な文章を書くための参考となるよう、論証の基本構造をご紹介します。さらに、メディカルライティングの領域で確立された体系的なエディティング技術を解説するとともに、この技術を応用した文書のレビュー方法をご紹介します。
1日目・2日目のいずれも、講義の途中に演習の時間を設け、わかりにくい文章を参加者自身で書き直していただきます。

プログラム

9月13日(水) セミナー1日目
13:00-16:00*
(途中休憩あり)
・メディカルライティングの基本原則
・わかりやすいセンテンスの書き方(演習あり)
・センテンスとセンテンスのつなぎ方
・文書全体を通した用語の一貫性
・参考:公用文のスタイル
・質疑応答
16:00-16:15* 株式会社パナシアからのご案内
9月20日(水) セミナー2日目
13:00-16:00*
(途中休憩あり)
・根拠と主張(結論)との関係
・わかりやすいパラグラフの書き方(演習あり)
・承認申請資料への応用
・体系的なエディティング技術
・用語の使い分け、略語の使い方
・エディットとレビュー
・質疑応答

*質疑応答の状況によって終了時刻は若干変動する可能性があります。

(2) 治験総括報告書の作成方法
治験総括報告書は、規制当局が個々の臨床試験の成績を評価する際に土台となる文書です。このため、本セミナーでは、臨床試験成績を評価するために必要な情報を解説することに重点を置きます。具体的には、外的妥当性と内的妥当性を評価する手順を最初に解説した後、2日間をかけて「治験の総括報告書の構成と内容に関するガイドライン(薬審第335号)」に従って、1~13章に盛り込むべき情報を整理します。具体的には、1日目に1~9章、2日目に10~13章の内容を解説します。
解説に際しては、単に薬審第335号の文言を読み進めるのではなく、「臨床試験のための統計的原則」といったICHガイドラインや、臨床試験成績の報告に関する国際的なガイドラインを適宜参照し、試験デザインや結果を記載する際のポイントが理解できるようにいたします。特に、「12章 安全性の評価」を記載するためには、安全性データの評価方法を理解することが必要ですので、関連するガイドラインの内容を要約した後、12章の書き方を解説します。

プログラム

10月11日(水) セミナー1日目
13:00-16:30*
(途中休憩あり)
・はじめに(外的妥当性と内的妥当性)
・ガイドラインの読み方(ICH E3と薬審第335号の関係)
・薬審第335号の解説
・質疑応答
1日目は薬審第335号の1~9章を解説します。ここでは、臨床試験のデザインを記載する際のポイントを解説します。
16:30-16:45* 株式会社パナシアからのご案内
10月18日(水) セミナー2日目
13:00-16:30*
(途中休憩あり)
・薬審第335号の解説
・質疑応答
2日目は薬審第335号の10~13章を解説します。ここでは、臨床試験の結果や考察を記載する際のポイントを解説します。

*質疑応答の状況によって終了時刻は若干変動する可能性があります。

(3) CTD第2部の臨床部分の作成方法
2001年6月に「新医薬品の製造販売の承認申請に際し承認申請書に添付すべき資料の作成要領」が通知されてから20年以上が経過しましたが、臨床概括評価や臨床概要の構成を把握することは今でも容易ではありません。このため、どうしても作成要領の細かな文言にとらわれてしまい、その結果、異なるセクションの記載内容が重複してしまうことにお悩みの方も多いと思います。また、本作成要領の一部は2017年2月に改正されましたが、この改正はベネフィット・リスクの評価方法の進展を踏まえたものです。したがって、「2.5.6 ベネフィットとリスクに関する結論」を記載するためには、この評価方法の概要を理解することが必要です。
以上を踏まえ、本セミナーではCTD第2部の臨床部分の構成が理解できるようになることに重点を置き、1日目に臨床概括評価の書き方、2日目に臨床概要の書き方を解説します。また、臨床概括評価の書き方を解説する際には、実際の照会事項の事例を適宜交え、どのようなことが承認審査に要求されるのかがわかるようにいたします。一方、臨床概要の書き方を解説する際には、規制当局のウェブサイトに公開された申請資料の記載内容を示し、具体的な書き方を把握できるようにいたします。

プログラム

11月8日(水) セミナー1日目
13:00-16:00*
(途中休憩あり)
・薬生薬審発0202第1号の解説
1日目は、実際の照会事項の事例を適宜交えながら、臨床概括評価の書き方を解説します。あわせて、構造化されたベネフィット・リスクの評価方法も解説します。
16:00-16:15* 株式会社パナシアからのご案内
11月15日(水) セミナー2日目
13:00-16:00*
(途中休憩あり)
・薬生薬審発0202第1号の解説
2日目は、国内で承認された品目の臨床概要の書き方を適宜紹介しながら、臨床概要の書き方を解説します。

・米国食品医薬品局のSummary Reviewの紹介
米国で承認された品目のSummary Reviewをご紹介し、ベネフィット・リスク評価の書き方のポイントを解説します。

*質疑応答の状況によって終了時刻は若干変動する可能性があります。

【講師略歴】:林 健一 氏
■ 所 属
株式会社パナシア エグゼクティブ・アドバイザー、アラメディック株式会社 代表取締役、東京大学大学院医学系研究科 非常勤講師
■ 略 歴
東京大学薬学部卒。製薬企業で臨床試験の統計解析・新薬開発のプロジェクトリーダー・医薬品の承認申請資料作成業務を担当した後、2007年に開発業務受託機関「アラメディック株式会社」を設立し、代表取締役に就任する。さらに、2019年4月付で株式会社パナシアのエグゼクティブ・アドバイザーに就任する。現在は、医学論文の投稿用原稿やプロトコール・承認申請資料などの作成業務を受託している。あわせて、研修の講師として、臨床研究方法論や医薬品開発、メディカルライティングなどに関する講義を製薬企業内で実施している。

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